健康診断で血糖値を指摘されたことがある人はどのくらいいるでしょうか。生活習慣病の予防が叫ばれて久しいですが、血糖値について詳しく知っていますか?血糖値とは何なのか、そして血糖値を下げるのに効果の期待できる具体的な方法を紹介していきます。

血糖値を下げるには血糖値についての理解が必要

糖尿病など、血糖値を下げる必要があると言われたことがある人は増えてきているようです。生活習慣病やその予備軍も含めると10人に1人とも言われています。

そもそも、血糖値とは何なのでしょうか。血糖値のしくみを知っていることで、下げる方法などもきちんと理解できると思います。現在治療中の人も、血糖値に心配のない人も知識としてもっておきましょう。血糖値とはどのようなものなのかをみていった後で、血糖値を下げるのに効果の期待できる具体的な方法について紹介していきます。

血糖値とは

血糖の正常値

血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の値です。10時間以上の空腹時の場合の血糖値は、最低が80mg、上限110mg、食後2時間では、上限は140mgまでになります。このように通常でも空腹時と食事後とでは変化が見られますが、数値で言えば、この範囲なら正常といえます。

空腹時では110mgを越えると血糖値が高いとされます。食後でも140mg以上は高血糖です。下限値としては、空腹時でも80mg以上はないと低血糖の症状が出やすくなるとされています。

ホルモンでコントロールされる

炭水化物などの糖質が身体に吸収されるには、最終的にブドウ糖という形になる必要があります。でんぷんや砂糖などが消化されてブドウ糖という形になったり、果物にはブドウ糖の形で最初から含まれています。ブドウ糖は筋肉や脳でエネルギーとして使われおり、特に脳はブドウ糖のみをエネルギー源としているのでとても重要です。

エネルギーとして使われなかったブドウ糖は、血液中には留まれないので、グリコーゲンとして肝臓で蓄えられ、さらには中性脂肪として脂肪組織に溜まります。そして必要時には分解してブドウ糖としてふたたび利用するのです。この余ったブドウ糖をグリコーゲンや脂肪にしたり、逆にグリコーゲンや脂肪からブドウ糖を取り出すようにして血液中の糖を調節しているのがホルモンです。

血糖値を下げるホルモン

血液中の糖が多くなるとグリコーゲンや脂肪に変えるようにはたらくのがインスリンというホルモンです。逆にグリコーゲンや脂肪を分解して血中の糖を増やすはたらきがあるのはグルカゴンというホルモンで、両方のホルモンともに分泌する臓器は膵臓です。

糖尿病ではこのインスリンが重要で、1型糖尿病ではインスリンがほとんど作れないため常に血糖値が高い状態が続きます。生活習慣病である2型糖尿病では血糖値を下げようとインスリンをたくさん作るために膵臓が疲弊し、その結果インスリンを作る量が減ってしまい血糖値が高くなります。もともとインスリン量が少なかったり、インスリンに対する身体の反応が弱いということもあるようです。

また、ビートたけしのみんなの家庭の医学で紹介されたように血糖値を下げるはたらきのある新たなホルモンが見つかり、そのホルモンは筋肉から分泌されているようです。今後の更なる研究が期待されます。

血糖値を下げる飲み物

トマトジュース

トマトに含まれるリコピンやクエン酸には、血糖値の上昇を抑制する効果があるようです。また、摂取した後にどれほど血糖値が上がりやすいかの指標であるグリセミックインデックス(GI)という数値もトマトは低く、インスリンの分泌量も少なくて済みます。

このグリセミックインデックスが高いと、摂取後、血糖値は急上昇します。そうなる膵臓にかなりの負担がかかるほど大量にインスリンを出さなけれなならず、またインスリンはがん細胞の増殖を促進するとも言われているので、がん予防や生活習慣病の予防の面など多方面から低GI食品を摂ることが推奨されています。

トマトはジュースになっても栄養が失われることは少なく、抗炎症作用や美肌効果など実に様々な効果が期待できます。トマトに含まれるリコピンのはたらきがとても重要視されている要因ですね。

また、妊娠中はインスリンに拮抗するはたらきのあるホルモンが分泌されやすく血糖値が上がりやすい状態にあります。高血糖は妊婦さんにとってもリスクなので、血糖値を下げる以外にたくさんのうれしい効果があるトマトを摂取するのはオススメです。

コーヒー

コーヒーのカフェインに対する血糖値の研究には興味深い報告が出ています。2型糖尿病の発症リスクが低いのはコーヒーをよく飲む習慣のある人であるという研究が元になり、カフェインが血糖値に影響があると言われています。反対にカフェイン単体に関した研究では血糖値の上昇を招くとも報告されています。

さらに研究の結果、関連性がなかったのがコーヒーとインスリンの分泌量ですし、さまざまな報告があがっており、研究者のなかでも見解はまだ統一されていないようです。そんな中、糖尿病に良い方向にはたらくのはコーヒーやその成分カフェインという説は、ヨーロッパやアメリカで行われた大規模な研究からであり、研究者やドクターの間ではこの説の支持が多いといわれます。

ウーロン茶

お茶などに含まれるポリフェノールも血糖値を下げるのに効果的なようです。ポリフェノールには食後の血糖値上昇を緩やかにする効果があり、また糖質の吸収を遅くする作用があるためといわれます。上述したように血糖の上昇が激しいとインスリンも過剰に分泌されてしまうので、緩やかにしてくれる効果は大きいです。

またウーロン茶に脂肪の吸収も抑える作用があるのはCMでもよくやっているのでご存じだと思います。血糖の上昇抑制と合わせて、生活習慣病、特に糖尿病の患者さんの食事療法などには推奨されているようです。

トクホの飲み物

トクホとは特定保健用食品のことですね。トクホの認可を受けた飲み物は種類も多いですが、血糖値への効果を謳ったものはやはりお茶が多いでしょうか。お茶のポリフェノールや難消化性デキストリンといった食物繊維が血糖抑制に効果的な成分として売り出されています。

トクホは医薬品ではないので注意が必要です。必ずしも効果がきちんと出ているものではないということを認識しておきましょう。お茶以外でも清涼飲料水やコーヒーなどの製品も出されています。

血糖値を下げる食品・食材

野菜

血糖値を下げるのに効果的としてトマトのリコピンのはたらきを先に紹介しましたが、野菜には他にもタマネギやオクラなどが効果的です。タマネギに含まれる豊富なミネラルで血糖値を低くする効果があると言われています。タマネギの栄養成分は、加熱は大丈夫ですが、水に溶け出やすいビタミンがあるのでなるべくさらさずにそのまま生か、蒸して食べましょう。

山芋やオクラに含まれる食物繊維の一種であるヌルヌルした成分は、ムチンといって腸の中の他の食物を包んで糖質の吸収を抑えるので、血糖値のコントロールに効果があります。糖尿病や、上述した理由から妊婦がなりやすい妊娠糖尿病ではこれらの野菜を積極的に摂ることが推奨されています。

また、野菜ジュースを食前や食事中に摂ることで食後血糖値の上昇を抑えるという研究報告もあります。200ml程度の量でも十分に効果が期待できるようです。

バナナ

バナナに含まれるカリウムはインスリンの効果を高めるはたらきがあり、血糖値を下げるのに効果的とされています。食物繊維やビタミンも含んでいるので栄養面では優れものです。

しかし果物はもともと糖質が多く、バナナも例外ではありません。バナナは特にでんぷんが多いようなので、推奨しないドクターも多いようです。もし摂取する場合はほどほどが一番良いでしょう。

食品一覧の見方

血糖値を下げる効果のある食品・食材や逆に上げてしまう食品・食材などが一覧になっているサイトも多いと思います。これらをチェックするのも良いですが、最近は成分表が付いている食品も多いので簡単な見方を紹介します。

糖質は炭水化物から食物繊維を引いた分だと覚えておけば大丈夫です。この式をもとに一覧から探さなくても高いか低いかを大体で判断することができます。妊婦さんなどは活用できると思います。食材になるとどうしても一覧を参考にすることになりますが、食品の大まかな計算には有効だと思います。

血糖値を下げるレシピ

スープ

血糖値を下げるレシピとしては、まずはスープが簡単だと思います。タマネギやトマトなどの野菜をたっぷり入れて作ったり、炭水化物の吸収を遅らせるお酢やきのこ類などを入れて作るのも良いでしょう。

汁物は塩分が過剰になりやすいとされています。具を多めにしたり、香辛料をうまく使って塩分を減らす工夫をすると良いようです。

サラダ

血糖値を下げるレシピではサラダも重要です。上述のトマトやタマネギはもちろん、ひじきなどの海藻類を加えてミネラルを多く摂取したりとバリエーションも豊かです。ネバネバの野菜を多くとるのも良いですし、根菜類を多めにして食物繊維をたっぷり摂取するのも良いでしょう。

やはり主食というよりは前菜や汁物でしっかりと栄養成分を補うことが重要とも言えますね。白米ではなく麦ごはんや穀米などと組み合わせるとより効果的なようです。

血糖値を下げるサプリメント

シナモン

シナモンにはポリフェノールが含まれており、このポリフェノールを摂取すると、糖の代謝を20倍にするはたらきがあるという治験結果もでています。小さじ1/2程でも効果があることから、コーヒーや紅茶など入れて毎日気軽に摂取できます。

ただし、シナモンは原産地によって注意が必要です。セイロン産以外のシナモンは摂りすぎると肝臓に負担がかかるクマリンという成分が入っているためです。またカシアというシナモンによく似ているスパイスもありますが中国産は避けてください。サプリメントでとるならプロテインバーや顆粒、タブレットなど様々な形で摂ることができます。

桑の葉茶

桑の葉にのみ含まれているDNJ(1ーデオキシノジリマイシン)という成分が糖の分解・吸収を阻害してくれます。乾燥時の重さで0.1g含まれており、薬に似ているはたらきをしてくれるということです。桑の葉茶は昔から飲まれてきたお茶ですが、そういった面でも先人の知恵はやはりすごいですね。DHCからサプリメントも出ています。

血糖値を下げる運動

運動は食後に

糖尿病など、血糖値を下げる目的で運動を行う場合は食後が良いようです。血糖値がピークに達するのは、食後1~2時間とされているので、血糖の上昇を抑えるには、そのタイミングで運動すればベストです。

身体についている脂肪、特に内臓脂肪を減少させることは膵臓の負担軽減にもつながり効果的なようです。力んで行う運動は避け、有酸素運動を30分程度、週3~5回と頻度を多くして行うことが推奨されています。

室内でも行える自転車などがオススメ

有酸素運動としては、ウォーキングやジョギング、自転車エルゴメーターの他にエアロビクスや水泳などもあります。血糖のコントロールを行っている場合は最初は室内の安定した環境で始めるのが良いとされています。

トレッドミルや自転車エルゴメーターは負荷の調節もできるので手軽にできるのと、血糖が下がりすぎた場合でも室内であれば二次災害の危険も少なく済みます。血糖コントロールがうまくできない場合は運動自体が禁止されますが、初期に導入する場合は室内で行える環境を選択しましょう。

血糖値を下げる方法は組み合わせることが大切

血糖値を下げる方法について、まずは血糖値とは何かを理解したあとで具体的な方法をみてきました。飲み物や食事、サプリメントや運動など様々紹介しましたがいかがでしたか?

紹介した方法はそれぞれを単独で行うよりも組み合わせた方が効果的です。ドクターの管理下で治療していれば栄養・運動などバランスが管理されますが、自分で行う場合でもそのバランスを意識しましょう。組み合わせのバランスと個々の中でのバランスも重要です。

栄養と運動のバランスだけでなく、栄養でも摂取する成分のバランスや運動であれば取り組む種目や休養とのバランスも重要ということです。これは糖尿病などに限ったことではないので、血糖値に心配のない人でも普段から意識したいですね。