バナナといえば、とろみのあるやわらかい食感と独特の甘さで定評があります。またここ最近の研究で、多忙に働くビジネスマンやスポーツマンにとって大切な栄養素が含まれていることがわかってきました。 いったいどんな栄養価があるのか? たっぷりご紹介します。

バナナってどんな果物?

まずは、バナナという果物についてご紹介します。これを知ることによって、バナナの不思議についても知ることができるかもしれません。

(1)バナナのルーツ

バナナの歴史はとても旧く、紀元前からあったと言われています。マレー半島やインドシナ半島といった東南アジアがルーツとされており、そこからミャンマーやインドなど北方に渡り、赤道付近のマダガスカルや東アフリカへと渡ったようです。紀元前400年あたりに、マケドニアのアレクサンダー王が遠征中にバナナの存在を知り、それを自国に持って帰りました。それがきっかけにさらにバナナの知名度が上がり、西方、アメリカなど世界中に知られるようになりました。日本では、大正時代に台湾から輸入したのが最初と言われています。九州の貿易港付近で販売する露天商が、独特な口上で客を引き寄せてバナナを販売する”たたき売り”という名物が誕生しました。いまではスーパーからコンビニエンスストアまで、幅広い食品コーナーで販売されており、果物の中ではもっとも手に入りやすい食材のひとつとなりました

(2)バナナの収穫

バナナを食べたことがある人はご存知かもしれませんが、中身には種がありません。どうしたらバナナを増やしているのでしょうか? 実は、もともとは種が中身についていたようです。しかし紀元前の最初に見つけたバナナの種類には偶然種がなく、それを人工栽培して増やしているので、いま私たちが食べている食用のものには種がないのです。バナナの栽培方法は、まず新芽の一部から良いとされる芽を取り出して2カ月ほど苗を育てます。その後畑に移し替えて6カ月ほど育てると、苞(ほう)と呼ばれる赤紫色のふくらみが現れます。その苞がめくれ上がると、中からバナナの実と白い花が顔を出します。収穫は、普段スーパーやコンビニで見られる黄色の状態ではなく、まだ緑色の状態で採ります。水洗いや梱包、輸送、検品など数々の工程を経ていくうちに熟していき、黄色に変わっていくのです。またバナナの中心的栽培国であるマレーシアやシンガポールは年中亜熱帯の気候のため、バナナを年中栽培できます。そのため、多少の熟すタイミングは異なるものの、年間通して安定した輸出入が可能になっているのです

(3)バナナの生産量

バナナは、スーパーだけでなくいまではコンビニエンスストアでも手軽に買えるようになりました。年中購入することができ、かつほとんどのスーパー・コンビニで買える。ではいったい、年間でどれくらいの量を生産し、特に日本ではどれくらい消費しているのでしょうか? バナナをもっとも生産している国は、起源と言われているフィリビンやマレーシアではなく、実はインド。年間で2486万9490トン! 2位の中国の2倍以上を生産しているんです。ちなみに日本は現在、インドからのバナナの輸入はしていないそうです。第2位が中国で1055万トン。第3位が東南アジアのフィリピン。922万5998トンを生産しており、起源と言われながらトップのインドの1/3ほどしか生産していません。その後にアレクサンダー大王の国であるエクアドル(701万2244トン)、南アメリカのブラジル(690万2184トン)、東南アジアのインドネシア(618万9052トン)、アフリカのアンゴラ(299万1454トン)、中央アメリカでメキシコに隣接しているグアテマラ(270万トン)、アフリカのタンザニア(252万4740トン)と続いています。ちなみに日本のバナナ生産量は200トン。世界をみると、その差は歴然です(参照:外務省 http://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/banana.html)

(4)日本のバナナ消費量

財務省の統計によると、2014年度の日本のバナナ輸入量は95万トン。輸出量より下回る意外な数値です。また総務省が統計をとった「バナナ、りんご、みかんの年間消費量」によると、バナナの2014年度の日本人年間消費量(2人以上にの世帯が対象)は18kg。12〜13kgの消費量であるりんごとみかんと比べると高い水準です。購入する基準としては、1番は「価格が手頃であるところ」、2番が「見た目がキレイなところ」、3番が「本数が多いところ」のようです(参照:日本バナナ輸入協会 http://banana.co.jp/public/trend/trend11.pdf

バナナの栄養価

さて、バナナとはどんな食べ物かがご説明できたところで、本題である栄養価についてご紹介します。

(1)実は低カロリーなんです!

バナナ1本分に含まれているカロリーは約86Kcal。これは白米の1/2杯分、1/6カットの食パンの1/2枚分に相当します。だからと言って食べ過ぎはもちろん良くないですが、片手で手軽に食べられるので、朝の時間がない時や、運動前にエネルギーを摂取したい時に 食べるといいでしょう

(2)たんぱく質

三大栄養素のひとつであり、血液や筋肉といった身体のエネルキー源になります。バナナには、1本あたり約1.1gが含まれており、これは生椎茸2個分に相当します。

(3)カリウム

ミネラルの1種であるカリウムは、血圧を調整したり、骨粗しょう症を予防したり、またナトリウムとバランスをとって細胞の状態を正常に保ったりと、体内調整において重要な役割がある栄養素です。バナナには、これが1本あたり360mg含まれており、これはりんご3.3個分に相当します

(4)マグネシウム

こちらもミネラルの1種とされており、おもに骨や歯の状態に深く関わっています。カルシウムやリンと協力して骨を形成しており、不足すると骨粗しょう症や糖尿病といった生活習慣病にかかる可能性があると言われています。バナナには、これが1本あたり32mg含まれており、これはキウイ3個分に相当します

(5)ビタミンB6

水溶性ビタミンのひとつで、たんぱく質をエネルギーや血液、筋肉に変える働きがあります。そのため、たんぱく質を多く摂取するアスリートやスポーツマンには、昼食をとった後にバナナを食べるとエネルギー源になるので最適と言われています。そんなバナナには、これが1本あたり0.38mg含まれており、これは納豆3パック分に相当します

(6)葉酸

こちらも水溶性ビタミンのひとつで、遺伝物質であるDNAといった核酸や赤血球、アミノ酸などを合成してくれます。また、たんぱく質を生成してくれたり、口内などの皮膚の粘膜を強化してくれる作用があるため、生きていく上で不可欠な栄養素です。バナナには、これが1本あたり26μg(マイクログラム)含まれており、これはピーマン3個分に相当します

(7)セロトニン

神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミンの過剰な分泌を抑え、心のバランスを整える作用があり、現代のストレス社会にとって大変貴重な役割を果たす栄養素です。「幸せのホルモン」とも言われ、これが不足するとうつ病や不眠症になりやすいとされています。バナナには、これが1本あたり10mg含まれており、これはみかん2個分に相当します

他にも様々な栄養素が含まれており、どれも身体を良好な状態にしてくれる働きがあります。積極的に摂取することをおすすめします。

こんな人にバナナを食べてもらいたい!

バナナには幅広い栄養素が含まれていることをご説明したので、それを踏まえてぜひこのバナナを食べてもらいたい人の例をいくつかご紹介します。

(1)多忙な人、スポーツマンやアスリート

バナナの優れている点は、良質なたんぱく質が含まれているとともに、そのたんぱく質をエネルギー源に替えてくれるビタミンB6が含まれているところにあります。つまり、バナナを食べたらすぐに運動できるエネルギーをチャージできるのです。料理をする時間がない多忙なビジネスマンや、早急にエネルギーを吸収したいスポーツマンやアスリートにピッタリな食材です。さらには、精神状態を安定にしてくれる貴重な栄養素であるセロトニンが含まれているので、 ストレスを感じている現代人には最適なものとも言えます。スーパーやコンビニエンスストアで手軽に購入できる栄養ドリンクやエネルギー補給食品(ゼリーやバーなど)もいいですが、食材からエネルギー補給をして良質な栄養素を摂りましょう

(2)お年寄り

骨の強度や弾力性を調整してくれるマグネシウムがバナナには含まれているので、牛乳やにぼしといったカルシウムを含む食材と一緒に食べると、骨や歯を丈夫にしてくれます。年をとるにつれて、カルシウムの吸収力が低下するため、マグネシウムは必要不可欠な栄養素です。ただ、カルシウムを摂らず、これだけを過剰に摂取するのは良くありません。バランスよく摂取することが丈夫な身体を構築できるポイントになります。またその他に、ミネラルのひとつであるカリウムも含まれているので、骨粗しょう症予防に最適な食材と言えます

(3)成長期のお子さん

小学生になると、朝食や給食で牛乳を飲む機会が多くあるかと思います。牛乳には言うまでもありませんが、カルシウムが含まれおり、牛乳ビン1本に227mgが含まれています。1日の必要カルシウム摂取量が80mgとされているので、十分に摂取することが可能です。しかし、カルシウムはただ摂取するだけでは骨や歯に吸収されません。そこで、その吸収を効率的にしてくれるマグネシウムが含まれているバナナの出番! 牛乳とともにバナナを食べる習慣をつけて、正しい子どもの健康管理をしていきましょう

バナナを使ったおすすめレシピ

栄養豊富なバナナですが、中には味や臭み、粘り気が苦手で食べられない人もいるかと思います。そこで、気にせずに食べられる料理をご紹介します。

(1)時間がないときにすぐ完成! 豆乳バナナスムージー

もっとも手軽につくれるものといえばスムージー。作り方はとっても簡単! ミキサーに豆乳を入れ、ひと口サイズにカットしたバナナを入れてかけるだけ。その後に、お好みで砂糖やハチミツを入れて甘くすると完成です。また、グラスに入れた後に黒ごまやきな粉をふりかけると、より風味が楽しめるので、朝やデザート代わりに飲んでみてはいかがですか?

(2)朝食に最適! バナナトースト

朝食にピッタリなメニュー。こちらも作り方は簡単です。まず食パンにマーガリンまたはバターを塗っておき、その上にひと口サイズに切ったバナナを乗せます。その後にレンジに入れて焼きます。最後に、焼きあがったトーストにハチミツやシナモン、ココアパウダーをかければ完成です。焼くことにより、程よくバナナの甘さが増し、とろけるので一度食べると病みつきになります。ぜひご賞味あれ!

(3)デザートにいかが? バナナパンケーキ

ここ数年で都心を中心にパンケーキ屋が多く出店し、一時パンケーキブームが巻き起こりました。家でも簡単に作れるケーキとして人気がありますが、そんなパンケーキにバナナを入れて甘さをプラスしてみてはいかがですか? 作り方のポイントは、パンケーキの素を作る際に、フォークを潰したバナナを入れるところ。カットしたそのままの状態で入れてしまうと、焼くときに生地にムラが出る可能性があります。パンケーキの素に馴染むように、念入りにバナナを潰しましょう。また焼きあがったケーキの上に、キャラメルやメープルシロップをかけたり、チョコレートやココアパウダーをかけたりと、アレンジをして楽しむこともできます

健康と成長に役立つ果物、バナナを食べよう!

カルシウムの吸収を高めるマグネシウムや、たんぱく質を効率的にエネルギー源に替えてくれるビタミンB6、さらには精神状態を安定にしてくれるセロトニンが含まれている現代人の味方、バナナ。これからは、このバナナを積極的に食べて、身体も心も健康にしていきましょう。