ああ、あの人もう少し姿勢が良ければ。惜しいなあ・・・と、思うことはありませんか?が、しかし!そんなアナタも他の人から見たら、そう思われているかもしれません!ただひたすら筋トレするだけでは直せなかったアナタに贈る、タイプ別の猫背矯正特集です!

「猫背」は、なぜ問題なのか?

背中が丸まり、アゴや肩が前に出ている状態が「猫背」です。スマートフォンやパソコンの普及により、猫背になる方が増えています。

背骨は自然に「S」字を描くようになっていますが(「生理的弯曲」といいます)猫背になると、そのカーブが歪み、そこから骨盤の歪みも引き起こします。

人の頭はスイカひとつ分(約6kg)あり、頭が5cm前に出るだけで首への負担は二倍になるのです。

上半身の症状

猫背になると生理的弯曲が歪んで見た目が悪くなるだけではなく、首・肩への負担が増して様々な症状を引き起こすようになります。

肋骨の胸郭が下向きに歪んで、その上に乗っかるバストが下向きになって垂れることがあり、さらに胸が圧迫されて呼吸が浅くなりがちです。

その他、頭痛・疲れ目・首のシワやコリ・肩コリ・手足のシビレや冷え・二の腕のたるみ・バストが垂れる・肩甲骨まわりの痛み・四十肩・五十肩・ストレートネックなどがあります。

下半身の症状

猫背で腰部分の背骨・骨盤が歪み、腰まわりの筋肉バランスが崩れて腰痛の原因となります。そして圧迫されて消化器官がうまく働かないことにより、代謝が悪くなって太りやすくもなるのです。

その他、ウエストに脂肪がつきやすくなる・下っ腹が出る・便秘・足の冷えなどの症状があります。

精神疾患

猫背のせいでアゴを上げるようになっていると、頭蓋骨と首の境目が詰まるように折れ曲がって自律神経を圧迫します。脳と脊髄は、脳脊髄液で包まれていて体内を循環しているのですが、首が曲がることにより脳脊髄液が首で詰まりやすくなり、脳の機能が低下します。

猫背で下を向いていても、下垂体(全身のホルモンを調節する役目)の血液の流れが非常に悪くなり、自律神経の働きも変化し、鬱を招くことがあるのです。

猫背だけではなく平背でも悪影響があります。生理的弯曲がなくなり背骨が真っすぐになりすぎる→背骨・肋骨が固まりやすくなる→肺が動きづらくなり呼吸が浅くなる→交感神経が興奮しやすくなる→この状態が続くと自律神経失調症になるおそれがあるのです。

子ども猫背の悪影響

大人になってから猫背になるよりも、子供のころからの猫背のほうが直すのが大変です。2010年以降、三人に一人の子どもが猫背だというデータもあります。

成長段階で背骨や筋肉が猫背だと、そのままの状態で発育してしまうので、大人になってから直すのに苦労することが多いです。

子ども時代の猫背は、集中力や学力や運動能力の低下・身長が伸びない・太りやすくなるなどの問題が懸念されています。

見極めが肝心!「猫背のタイプ」

カベに、かかと→お尻→背中→肩→頭の順番でつけて立ってみてください。頭がカベにつくのが窮屈なら「背中が丸まるタイプの猫背」カベと腰の隙間が手のひら二つ分あれば「骨盤前傾型猫背」カベと腰の隙間に手のひらが入らなければ「骨盤後傾型猫背」です。

猫背には何種類かありますが、大きく分けると三種類あります。

背中の中央から前が丸まるタイプ

背中を維持する筋肉が弱く、常に背中を丸めてしまうために起こる猫背タイプです。常にこの状態だと姿勢を維持する筋肉を使わなくなるので、より筋力が低下してしまいます。

骨盤前傾型猫背

骨盤が普通より前傾しているので、身体のバランスを取ろうとすると首が前に出て猫背っぽくなるタイプです。腰が反りすぎているので、他のタイプの猫背よりも腰痛になりやすいのも特徴です。

骨盤後傾型猫背

骨盤が普通より後傾したことによりなってしまう猫背タイプで、以前よりも人数が増えてきています。

平背(フラットバック)

「へいはい」と読み「フラットバック」とも呼ばれます。本来あるべきS字カーブが無いことで、首から腰まで背骨が真っすぐになることです。食事をすると胃が目立ったりもします。

実は猫背よりも身体への負担が大きく、地面からの振動や頭の重さを生理的弯曲でカバーできないので、椎間板への負担が大きくなりヘルニアの原因になったりします。

一番の原因は骨盤の後傾で、椅子に浅く座って背もたれに寄りかかる体勢により、骨盤が常に後ろに引っ張られる姿勢を何年も続けると平背になってしまうのです。

今までの人生のツケがきました「猫背の原因」

デスクワークの多さ・スマートフォンへの依存・椅子の座り方の悪さ・ネガティブな考え・・・長い間で、いくつもの原因が重なり合って起こるのが猫背です。

ただ単に姿勢に気をつけるだけでは猫背は直りにくく、複数のことが絡み合って起こるものですが、その原因のひとつに姿勢の悪さがあるのです。

筋力不足

姿勢を保つための「広背筋」も重要ですが、それだけではなく、骨盤を支える「腸腰筋」などが弱まると、骨盤が歪んで負担がかかりやすくなります。腸腰筋は、正しい姿勢の維持や下半身の動作の制御と深いかかわりを持つ筋肉で、普段から歩かないでいると加齢とともに衰えてゆきます。

よく歩く方でも、足が疲れない「ペンギン歩き」(足を上げずヒザから下だけ動かす歩き方)ばかりしていたら腸腰筋は衰えます。

柔軟性低下

身体の前側の筋肉が萎縮して、肩の関節が前に引きつられるようにして猫背になることがあります。腕を上げたり開いたりするときに使う「大胸筋」の柔軟性が原因です。あまり腕を動かさないでいると、大胸筋が本来の柔軟性を失って少しずつ筋肉が縮み、肩が前に引き寄せられて猫背になります。

首が下向きで背中が丸いままにしていると前側の筋肉が萎縮する→長時間そのままでいると血流が次第に悪くなって柔軟性がダウン→毎日そんなことをしているうちに筋肉の柔軟性がなくなる→筋肉が慢性的に硬くなり萎縮していきます。

背骨の関節可動域低下

背骨を支える靭帯の柔軟性が損なわれることで、関節が正しく動きにくくなり猫背になるパターンと、椎間板の機能低下で背骨本来の可動域が確保できずに起こる猫背があります。

椎間板は、加齢にともなって本来の機能を維持するのが難しいので「グルコサミン」や「コンドロイチン」を摂取して機能低下を防ぎましょう。

いきなり動いちゃダメ!まずは「ストレッチ」してからね!

筋肉は、30分以上ほど動かさないでいると、その状態を記憶してしまいます。同じ姿勢のまま30分くらい経ったら立ち上がって背伸びをするだけでも、悪いクセがつくのを抑えられるのです。

日ごろの、ろくでもない状態から、普段しないような動きをしようとするとケガしてしまう可能性があります。猫背矯正トレーニングをする前に簡単なものでよいので、ストレッチをする習慣をつけましょう。

椎間板ヘルニア対策ストレッチ

ヒザ立てストレッチは、慣れてない方が行おうとすると足がつったり変な所を傷めたりしがちなので無理はしないようにしましょう。

腸腰筋ストレッチ

「腸腰筋」はインナーマッスルのひとつです。大腰筋と腸骨筋を合わせて「腸腰筋」と呼ばれ、上半身と下半身をつなぐ唯一の筋肉です。30代から減少するといわれています。

片ヒザをついて前へ重心を移動するときは、骨盤が変な向きに曲がったりしていないか確認しながら行いましょう。

股関節ストレッチ

股関節が硬いと、座骨の上に座れなかったりします。まずは股関節をほぐし、身体のコントロール機能を向上させましょう。

ダンサーじゃなくても活用の価値あり!「アイソレーション」

アイソレーションは、身体の各パーツを独立させながら動かす、ダンスの基礎ったら基礎の訓練です。動かすパーツの他の部位が、つられて動いてしまわないように注意しましょう。

「アイソレーション」

肩幅くらいに足を広げて立ち、腰は固定して、肩は地面と水平のラインをキープ。上半身を前後左右にスライドさせるのが「胸のアイソレーション」です。肩のラインが傾いて窮屈な感じになってしまわないように。肩のラインは地面と平行にスライドさせるようにしましょう。

「首のアイソレーション」は、肩のラインを床と平行にキープし頭を前後左右にスライドさせるものです。これも頭を真っすぐにキープし、傾かないように気をつけましょう。

頭の場合、後ろへは行きにくいとはおもいますが、これも鍛錬により徐々に可動域が広がるものです。やりやすいからといって前側ばかりしていたら、首がその動きを覚えて変なクセがついてしまいかねないので、ちゃんと後ろ側にも丁寧に動かしましょう。

どの部位を動かすにしても、動かす部位にのみ意識せず、ホールドする部位こそ、しっかり止めておけるように意識して、可動域の広さを習得しましょう。

背中が丸まるタイプの猫背改善作戦

背中が丸まるタイプの猫背は、背骨の可動域改善→広背筋などの姿勢維持に使う筋肉強化→大胸筋などの、カラダ前面の筋肉の柔軟性を取り戻す。というプロセスが効果的です。

まずは背骨の可動域を広くすることから始めましょう。

背骨の可動域改善

背骨の可動域は、骨の形によって個人差が大きくあり、さらに中高年になると靭帯・椎間板が硬くなるので可動域が狭くなりがちです。日ごろ運動をしない方ほど、背骨の可動域ストレッチはマメにやってみてください。

姿勢維持に使う筋肉強化

お尻を持ち上げる動きは、あまり高くしようと思わず、無理のない範囲で行いましょう。

骨盤の傾きが原因の猫背改善作戦

背中を鍛えても猫背を改善できなかった方は、背中の筋トレの前に、骨盤の向きがどうなっているのか確認してからエクササイズしてください。骨盤に問題のある方は背中だけを鍛えても、なかなか改善しにくいのです。

骨盤が前傾・後傾している猫背タイプ。そして平背の方の改善法は、腰椎可動域改善→モモ裏の筋肉の柔軟性改善→骨盤体操という流れになります。それから姿勢維持の筋トレをしましょう。

腰椎可動域改善

骨盤の傾きがある猫背タイプの方は、まず腰椎の可動域を広げてからじゃないと改善が難しいです。

ヨガのポーズだと「コブラのポーズ」に該当します。腰椎の可動域を広げる効果のほかに、背中やお尻の引き締め・バストアップ・首筋を美しくする効果があります。

モモ裏の筋肉の柔軟性改善

骨盤が後傾するとハムストリングスが伸縮しなくなり、次第に筋肉が硬くなって切れやすくなってしまいます。日ごろから足の裏側の筋肉をほぐしておくことは、平穏な日常生活を送るためにも重要なのです。

骨盤体操

あとは骨盤の調整をしましょう。骨盤の矯正方法はたくさんありますが、大事なことは「継続すること」です。もし不安のある方は、整形外科・整体医・整骨医などに相談してから行いましょう。

「腹筋」で固めて美しい姿勢をキープしよう!

日々の努力の甲斐あって、ついに美しいボディラインを手に入れたアナタ。しかし、キープできなければ、また元に戻ってしまいます。

さあ、あとはガッチリ鍛えて腹筋でコーティングしてしまいましょう!胸の筋肉・腹の筋肉が偏って鍛えられていると身体のバランスが悪くなり、一部の部位に負担がかかったり痛みだしたりします。バランスを考えてトレーニングしましょう。

シットアップ(腹直筋・腸腰筋)

シットアップは腹筋の基本中の基本です。腹筋強化・引き締め・脂肪燃焼・内臓の位置の調整などの効果があります。腰への負担が大きいので、腰に不安がある方はクランチを選びましょう。

ニータッチシットアップ(腹直筋・腸腰筋)

シットアップの応用編で、腹直筋・腸腰筋を鍛える筋トレで、これもまた腹筋強化・脂肪燃焼・引き締め・骨盤安定・内臓の配置改善の効果があります。マンネリ化した方はつま先タッチなどに切り替えてもよいでしょう。

サイドクランチ(腹斜筋)

腹筋をバランスよく強化したい方にオススメです。ウエスト脂肪燃焼・ウエストダウンにも効果的です。上体にひねりを加える意識を持って取り組みましょう。

シザース(腹筋下部・腹横筋)

「腹横筋」は、内臓を正しい位置に保ったり、姿勢を安定させる働きがあります。シザースは、効果的に腹横筋を鍛えることができ、ウエストの引き締めやサイズダウン効果があります。

ネガティブカールダウン(腹直筋・腸腰筋)

腹筋強化・引き締め・脂肪燃焼・骨盤の位置の安定・ウエストラインの維持と向上・内臓の位置を整える効果があります。戻るときの動きが最も重要な、少々ハードなトレーニングです。

猫背矯正完了!胸を張って生きよう!

幼いころから猫背だった方には「内面的コンプレックス」が原因の方もいます。何かがあって精神的に落ち込む・目立ちたくなくて自然と猫背になる・発育した胸が目立たないように猫背になる・背が高いことを気にして猫背になる・・・など。

しかし、単に背中を丸めてみたところで何の解決にもなりません。それどころか状況は悪くなるばかりだったのではないでしょうか?

誰でも、それなりにコンプレックスはあるものでありますが、それでも胸を張って生きている人間もいるのです。今まで猫背を直せなかった方も直せた方も、これからは、そしてこれからも胸を張って生きていきましょう!