「そんなに食べてないのにすぐに太ってしまう」「痩せない」というお悩みを持つ方は、身体を維持するために消費される「基礎代謝」が下がっているかもしれません。基礎代謝に関する基礎知識と、それを下げてしまう生活習慣、また基礎代謝アップのコツをご紹介します。基礎代謝がさがってなかセルフチェックもありますので、ぜひお試しください。

基礎代謝とは?

ダイエットをする前に知っておきたいこととして、「基礎代謝」があります。では、まずその「基礎代謝」とは何なのかをご説明します。

基礎代謝って何?

「ダイエットを成功さ得たいなら基礎代謝が大切」と言うことはよく言われていますが、基礎代謝とはそもそも何でしょうか。日常生活を送っていると動いたり運動したりすることでエネルギーを消費しますが、基礎代謝はまた違います。実は毎日消費するエネルギーの内基礎代謝と代謝の比率は7対3と言われており、基礎代謝は非常に重要な役割を担っているのです。

基礎代謝とは、生命維持に必要なエネルギーです。私たちの体は呼吸をし、血液が流れ、心臓が動くことで体温が保持され、内臓も動いています。この体全体の機能にもエネルギーが常に消費されており、毎日同じだけのエネルギー量が消費されているのです。特に筋肉のエネルギー消費はどの部位よりも大きく、筋肉量のある人ほど基礎代謝は高いと言われています。

では、全員の基礎代謝が同じなのかと言うとそうではなく、年齢とともに基礎代謝は下がっていきますし、ピークは高校生くらいと言われています。ほかにも生別や体格に体温、普段取っている栄養状態で基礎代謝は変わるのですが、40代に入ると一気に落ちるとも言われています。

基礎代謝量の多い部位

成人の場合、基礎代謝においてエネルギー消費量が最も多いのは「筋肉」だそうです。基礎代謝量全体の約40%を筋肉が消費しているとのことです。次いで肝臓、胃腸になります。なぜ人によって基礎代謝が変わるのか、その理由は年齢や体温などにありますが最も大きな理由は筋肉がどれだけついているかです。

実は、筋肉は体の中で最もエネルギー量を消費する部位で、筋肉量が多い人の方がよりエネルギーを必要とするため、基礎代謝も高いのです。たとえば身長160㎝、体重50㎏のAさんとBさんがいたとして、筋肉量がAさんの方が多ければ基礎代謝はAさんの方が大きくなるのです。

基礎代謝がダイエットの成功を決める

食生活や生活スタイルは変わらないのになぜか太ってきた、そう思っている方の大半が40代前後の方です。それならダイエットをしようと頑張ってもなかなか痩せないのは基礎代謝が関係しています。

ダイエットを成功させるためには基礎代謝をキープするか上げるかにかかっており、いかに年齢によって低下してしまったエネルギー消費量をあげるかがポイントなのです。ですからアラフォーでダイエットを頑張りたいという方は基礎代謝をアップし、1日の最低消費エネルギーの増量を目指しましょう。

なぜあの人は痩せているのか

ダイエットには基礎代謝を上げることが効果的と言われる理由は、基礎代謝とは安静にしていても生命を維持するために使われるエネルギーなので、「じっとしていても消費されるエネルギーが増える」ことになるためです。つまり、同じカロリーを摂っても太りにくくなる、またリバウンドも防げるということにつながるそうです。

基礎代謝が低下すると?

基礎代謝の低下は体温の低下にもつながるのですが、逆に言えば平均体温が低いという方は基礎代謝が低いということです。実は体温が1度低下すると基礎代謝は12%低下し、体重も1か月あたり1~2kg増えると言われています。体温1度の低下は200kcal以上の消費を無駄にしていると同じなのです。

基礎代謝によって消費されるエネルギーがこれだけ違うと、同じ食事をしていても基礎代謝量の低い人は高い人に比べて、ご飯1杯分以上多く食べていることと同等になってしまいます。

運動量で考えると、基礎代謝の高い人は何も運動していなくても、基礎代謝の低い人がなわとびを60分程度したのと同じくらいカロリーの消費ができるということになるそうです。

基礎代謝の低下はリバウンドの原因

多くの方はダイエットをして体脂肪率を落としたいと思い、運動はしたくないからと食事制限を始めます。しかし食事制限で落ちていくのは脂肪だけではなく筋肉も一緒です。

筋肉は体の基礎代謝にかかわる重要な部分ですから、筋肉が落ちれば当然基礎代謝も落ち、痩せにくい体になってしまいます。しかも、食事制限ダイエットにはデメリットがつきもので、リバウンドしてしまいます。

リバウンドは前の体重よりも増えてしまう状態を指しますが、その仕組みは体が少ないエネルギー量で生命維持しようとしているところに、体重が落ちなくなってしまう停滞期が重なり、停滞期だから、もうダイエットの効果が出ないからとたくさん食べてしまう、それがカロリーオーバーとなって脂肪がついてしまうことで起こります。

体重が落ちなくなる停滞期は辛いものですし、ダイエットをあきらめたくなってしまいます。しかし体の中はと言うと、低栄養状態でできるだけエネルギーを使わずに生命を維持しようとしていますから、基礎代謝はどんどん下がっていきます。

そこで高栄養なものをを摂れば、当然カロリーオーバーとなります。筋肉量が減った状態をキープしながら脂肪は増えていくため、体重も脂肪もダイエット前より増えてしまうことになるのです。

基礎代謝と必要なカロリーのバランス

1日にどのくらいのカロリーが最低限必要なのか、と言うのは人によって決まっており、それが基礎代謝となります。ですから基礎代謝を上げて痩せやすい体質になり、さらにダイエットも成功させるためには必要最低限のカロリーを確保しながら食事制限を行うことが重要です。

ダイエットを成功させたいから、1日も早く体重を落としたいから、と極端な食事制限をすれば基礎代謝も下がり逆に太りやすくなります。最低限必要な食事量と規則正しい食生活は、健康のためだけでなく、ダイエットを成功させる上でも大切なことなのです。

1日に必要なエネルギー

では、1日に必要なエネルギーとはどのくらいなのでしょうか?おおよその値の算出方法をご紹介します。

基礎代謝の算出

基礎代謝に関してはいろいろな算出方法がありますが、ここでは厚生労働省が提唱してる算出方法をご紹介します。

厚生労働省の定める、日本人の食事摂取基準(2005年版)基礎代謝基準値を元に計算します。
計算式は、

体重(kg)× 基礎代謝基準値 = 基礎代謝量(kcal)  になります。

【日本人の基礎代謝基準値(単位:kcal/kg/日)】

1~2歳     男性 61.0  女性 59.7
3~5歳     男性 54.8  女性 52.2
6~7歳     男性 44.3  女性 41.9
8~9歳     男性 40.8  女性 38.3
10~11歳   男性 37.4  女性 34.8
12~14歳   男性 31.0  女性 29.6
15~17歳   男性 27.0  女性 25.3
18~29歳   男性 24.0  女性 23.6
30~49歳   男性 22.3  女性 21.7
50~69歳   男性 21.5  女性 20.7
70歳以上    男性 21.5  女性 20.7    

例えば30歳の女性で、体重が50kgの場合は、

50(kg) × 21.7(基礎代謝基準値) = 1085(kcal) 

これは基礎代謝として消費されるエネルギー量になります。

最低限必要なカロリーの算出

人の体が消費するカロリーを決めるのは基礎代謝プラス運動と食事です。基礎代謝が体の生命維持に必要なカロリーであるなら、意識的に体を動かすことで消費するカロリーは自分である程度コントロールすることができるでしょう。

総合的に消費カロリーを考えたとき、体の各器官が必要とする1日の必要最低限消費カロリーと、意識して消費するカロリーを合わせて考えることが大切です。つまり、1日に必要なエネルギーは、基礎代謝に約30%程度の上乗せした値になります。では、先ほどと同様に30歳で体重50kgの女性の場合で計算してみましょう。

1085(kcal)×1.3(30%上乗せ)=1410.5(kcal)

およそ1400kcalが最低必要なカロリーだと算出することができます。スポーツや、肉体労働などで体を良く動かす習慣のある人は、さらにその分の加算が必要になってきます。

基礎代謝低下チェック!!

基礎代謝が低下している状態とはどのような状態でしょうか。なんだか最近太りやすくなった、という方の中で、特に原因が思い当たらないという場合はもしかしたら該当するかもしれません。

基礎代謝が低下しているかどうかチェックする方法がありますので、まず自己診断してみるのもお勧めです。無意識に食べてしまっている、寒いから動かないなどいろいろな理由が考えられますので、ぜひチェックしてみてください。

基礎代謝低下 セルフチェック項目

基礎代謝が落ちているかも!食べる量は同じなのに太ってきた!という方は以下の10項目のうち1つでも当てはまるものがないか確認してみてください。その10項目とは

1.5㎏以上痩せたことがある
2.1日1~2食に制限するダイエットを1カ月以上した
3.りんごやこんにゃく、バナナなど単品ダイエットの成功歴がある
4.偏食で好き嫌いが多い
5.炭水化物の摂取量が少ない
6.食事の代わりにスナック菓子やお酒を摂ることがある
7.体重の変動が激しい、1か月で3kg以上の変動がある
8.平熱は36度に満たない
9.冷え性で肩こりがひどい
10.体重だけ見れば平均だが体脂肪率は高い

もし1つでも当てはまるようなら基礎代謝が落ちてきており、3つ以上当てはまる場合は基礎代謝が落ちてしまっているかもしれません。

基礎代謝を低下させてしまう5つの習慣

人によって基礎代謝が違うのは当然のことですが、年齢や男女差などといった特徴も基礎代謝の違いを生む要因になります。できれば基礎代謝は下げたくない!そんな時はあなたの生活習慣の中に潜む基礎代謝を下げる原因を特定し、改善するようにしてみましょう。

1.睡眠時間が6時間以下

睡眠時間が短いと基礎代謝はもちろんですが、集中力も欠け、美容面・健康面などのあらゆる方面に悪影響を及ぼすと言われています。

2012年の研究によると、睡眠が少ない人は次の日の行動量が減るという結果だったそうです。さらにドイツとスウェーデンの研究によると、睡眠量を削ると身体のエネルギーを使う事を停止してしまい、代謝はどんどんと悪化してしまうとのことです。

2.食事からとる鉄分が足りない

鉄分は食事でしか補給することができません。

とくに女性は生理中に血液が少なくなる為、鉄分不足となりがちです。鉄分が不足すると、筋肉に酸素が回らなくなり、エネルギーが急低下してしまうので代謝が落ちてしまうそうです。また、体を温めるためにも十分な血液が必要とのことです。鉄分を含んだ食品、レバー、ほうれん草等を意識して摂取しましょう。

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3.お風呂につかる機会がほとんどない

基礎代謝低下の原因は体の冷えも挙げられます。基礎代謝アップのためには体を内側から温めることが必要とのことです。

目安は平熱は36℃以上を保つことだそうです。半身浴やマッサージなどで血流を促して体を冷やさないようにするといいそうです。半身浴とは、37~40℃以下のぬるめの湯に、みぞおちの下までつかります。肩までつかるよりも効果的で、全身の血行がよくなり自律神経を整える効果も期待できるとのことです。

また冷たい食べ物や飲み物ばかりを摂っていても体は冷えてしまいます。温かいものを食べ物・飲み物で体をあたためてあげましょう。

4.食事制限による体の省エネ

くりかえしますが、極端な食事制限は体が最小限のエネルギーで生きていけるように「省エネモード」になります。脂肪は落ちますが、筋肉まで落ちてしまいますので基礎代謝を下げる原因となります。

5.20分以上同じ姿勢をキープしている

同じ体勢でじっとしていることで代謝が下がるという研究結果があります。座りなおしたり、体勢を変えたり、20分に一度は体を動かすといいそうです。また姿勢ですが、背筋を伸ばしているとカロリー消費量が1.5倍にもなるそうです。

基礎代謝をあげる方法

1.血行を促進して体温アップ

体温が上がれば基礎代謝が12%変わります。この基礎代謝12%はエネルギー量に換算すると最大500kaⅼ、最低でも200kcalは変わるということです。しかも体温を上げるメリットはそれだけではなく、リンパの流れや血行が改善され、ホルモンも正常化して体の機能が活性化しやすくなるというのです。

そのために実践したいのが筋肉量のアップです。基礎代謝の多くを支配しているのが筋肉ですが、実はこの3つは連動しており、筋肉量が上がると血行も改善され体温が上がる、そして基礎代謝もアップするというのです。ですから筋肉量を増やすということはダイエットをしたい方にとって大変意義のあることと言えるでしょう。

さらに血行改善により内臓機能が西欧化しやすく、これも基礎代謝のアップにつながります。たとえば生姜など食べ物で体を温める、ぬるめのお風呂に入ったりして体を芯から温めるといいでしょう。

2.毎日のストレッチで筋肉をほぐそう

バレエや体操をしている人だけでなくても体が柔らかいつまり柔軟性の高い人はいますが、なぜ柔軟性に違いが出るのでしょうか。その原因は血行やリンパの流れが滞っており、その原因が筋肉が凝り固まっていることにあるというのです。

筋肉のこりをほぐすにはストレッチを続けて行うことが大切です。即効性はありませんが、特に血行がいいお風呂上りにストレッチを続けていくことで、だんだんと体は柔らかくなっていくようです。

筋肉は血液を送り出すポンプの役割を持っていますから、冷え性の方にも重要なポイントです。体を柔らかくすることで血液が体中を循環するようになり、基礎代謝のアップや手足の冷え改善にもつながるのです。

3.心肺機能の強化

心肺機能の強化は血液や酸素の循環を良くし、心臓の働きを活発にすることができると言います。さらに体中に酸素や血液が行きわたるようになりますから、心肺機能を強化すると基礎代謝も上がるのだそうです。

肺活量を増やすには運動が有効だと言われています。特に有酸素運動は心肺機能が強化されるとともに、脂肪燃焼も期待出来るので、ダイエットに効果的ですね。他には、腹筋を鍛えると横隔膜が強くなるので肺活量アップにつながるそうです。

なお、ストレス解消にと飲む人が多い嗜好品のたばこは、百害あって一利なしと言うように、心肺機能の低下につながります。肺活量が落ちれば基礎代謝も落ちますので、肺がん予防なども含めて禁煙を考えてみるのもいいでしょう。

4.肩甲骨ダイエットを実践してみよう

肩甲骨ダイエットをご存知でしょうか。これは肩甲骨周辺にある褐色脂肪細胞を刺激して、体温を上げエネルギーを消費しようというダイエット方法です。褐色脂肪細胞は体温が最低限下がらないようにキープする働きを持っています。つまり褐色脂肪細胞を刺激することで基礎代謝が上がると考えられているのです。

そのためには肩甲骨周辺の刺激が必要なのですが、方法は簡単で気が付いた時に肩甲骨周辺を動かすだけです。ストレッチとしてぐるぐる回したり、腕を後ろに肩甲骨を寄せるように引っ張るだけでもいいでしょう。

褐色脂肪細胞は余計な栄養素を熱として放出する働きがあると言われています。活発に働いている人ほどエネルギーが熱に変換されやすく太りにくいのです。ですからエネルギーが脂肪に変わってしまう褐色脂肪細胞の活力が低下している人は褐色脂肪細胞を意識して刺激してみるといいでしょう。

5.腸を動かして栄養吸収率アップ

多くの女性が悩んだ経験を持つ便秘ですが、便秘になると腸だけではなくあらゆる器官の機能が低下していると言われています。通常口から入った食べ物は胃で消化され腸から吸収されます。ところが便秘になると便が大腸にとどまることから栄養の吸収率が下がってしまうのです。

体の機能のために必要な栄養が吸収されない、あるいは吸収されすぎてしまうと、内臓脂肪の増加や血液の状態悪化へとつながる可能性があります。ですから整腸作用がある食材を摂ったり、お腹をマッサージしたりして腸の働きを活性化し、健康で元気な腸にすることが望ましいのです。

基礎代謝をアップする食材を探そう

体温UPに欠かせない体を温める食品

基礎代謝アップに「冷え」は大敵です。食べ物や飲み物も汁物や鍋もののような温かいものを摂って体を温めることもできますが、体を温める成分を含む食品も効果的とのことです。

●カプサイシン  唐辛子、チリペッパー など
●ショウガオール 生姜 など
●硫化アリル   ネギ、玉ねぎ、にんにく、ニラ、らっきょう など
●ビタミンE    かぼちゃ、さつまいも、うなぎ、アーモンド、ゴマ など

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ダイエットに欠かせないアミノ酸

代謝をアップするならたんぱく質をしっかり食べましょうと言われています。というのもたんぱく質の原料はアミノ酸で、特に脂肪燃焼効果やエネルギー変換効果があると言われているからです。

たとえば魚介類や肉類、レバーに乳製品、ダイズなどにっ含まれるリジンはカルシウムの吸収を助けますし、鶏肉や豚肉、カツオに大豆などに含まれるアルギニンは血管機能を正常化し、免疫力を高めてくれます。

さらに、鶏肉や貝類、イカや鮭、味などに含まれるアラニンは肝機能を改善することでアルコール代謝をサポートしてくれますし、豚肉にカツオにチーズに含まれるプロリンはコラーゲンを作り出し、保湿成分となってくれます。

代謝UPに欠かせないビタミンB群

ビタミンB群は炭水化物に脂質、たんぱく質の代謝に必要不可欠な成分として今注目されています。特にビタミンB1は糖質を代謝し、精神安定や成長促進に欠かせません。ビタミンB2は脂質を退社して細胞の再生およびエネルギー代謝をサポートしてくれますし、ナイアシンなどがさらにサポートしてくれます。

こうしたビタミンB群は豚肉を始め、レバーやうなぎ、サバやサンマなど背の青いサカナ、マグロに鮭のほかにも、卵や豆類、納豆に多く含まれています。エネルギー代謝をすることで基礎代謝がアップするならビタミンB群の大切さも分かりますね。

まとめ

基礎代謝について色々な角度から見てきましたが、こうした体の機能を知ることは健康的で効率のいいダイエットへの近道になると考えられそうです。

日常の中に基礎代謝を上げる、あるいは、下げるヒントは隠されています。まずは気づくことから始めて、悪いところを改善していけば、段々と太りにくい体質になっていくことでしょう。ぜひ、「基礎代謝低下セルフチェック」なども参考になさって、当てはまることがあればそれを改善するところから始めてみてくださいね。