「妊娠中は2人分食べなさい!」と言われるのは、昔の話。今では、体重管理を厳しく指導される産婦人科が増えています。妊娠すると徐々に体重も増加するので、妊娠していない時期よりも、カロリーコントロールが難しいとされています。既に体重が増え過ぎているという人も、妊娠したての人も、赤ちゃんに影響がないようなカロリーコントロールの仕方をまとめました。

ストレスなく「妊娠中の体重管理」をしたいなら、必見!

初めて妊娠した人も、2人目3人目を妊娠している人も、妊娠中は体重管理に苦労されているのではないでしょうか。筆者も2人の子どもを出産したのですが、最も難しかったのが体重管理でした。

お腹の中に子どもがいるのですから、普段の体重管理とは話が違います。妊娠しているからと言って食べ過ぎると、それが原因でお腹の赤ちゃんにも影響が出ることもあるのです。

今では、産婦人科でもシビアに体重管理の指導をするところが多いでしょう。赤ちゃんの発育に影響がない程度に、上手な体重管理をしていきたい!できれば、ストレスを感じることなく行いたいものです。
どのくらいの体重増減であれば、妊娠中でも問題がないのか。詳しく見ていきましょう。

体重管理の前に知っておきたいこと

体重増加の内訳

体重を管理する前に、まずは妊婦の体重の内訳を知っておきましょう。昔は、赤ちゃんの分もたくさん食べなさいと、どんどん妊婦に食べさせる傾向にありました。しかし、今ではこのように言うお医者さんはいません。一体どのくらい体重が増えるのが理想なのでしょうか?

妊娠すると、赤ちゃんの重さや羊水などの重さも含めて、上手に体重管理をしなければなりません。妊娠後期の10カ月くらいのお母さんのお腹の中を例にして考えてみましょう。

まず、赤ちゃんの重さは約3kg。羊水や胎盤を合わせて約1kg。そして、それ以外に妊婦が増えるべき体重が+3〜4kgくらいと考えられているので、総合的に増えても良い体重は、妊娠前よりも+7〜8kgということになります。

BMI値から体重増加の目安を計算

妊娠中にあるべき適正体重の基準は、妊娠前のあなたの体重によって変わってきます。その基準となるのが、「BMI値」です。BMI値とは、あなたが太り気味なのか、痩せ気味なのかを決める「体格指数」のことです。22の数値を平均値として、25以上が太り気味、逆に18以下の場合は痩せ気味ということになります。

BMI値を実際に出してみて、妊娠前のあなたの体格指数を見てみましょう。計算の仕方は簡単で、あなたの妊娠前の体重(kg)を身長(m)の2乗で割るだけです。

いかがでしょうか?BMI値が18未満の人は、妊娠中の理想体重の増加は約10〜12kg、BMI値18〜24の人は、約7〜10kgの増加、BMI値25以上の人は、5〜7kgの増加が理想的と言えるでしょう。

妊娠前の体重が痩せている人程、妊娠中の体重増加の理想は大きく、妊娠前から太っていた人は、妊娠中でもあまり増えないようにしなければならない、ということが分かります。

体重増加の理想のペース

妊娠後期の最終的な体重増加の理想は、上記で知ることができました。では、コンスタントにどのくらい体重が増えていけば、合格ラインなのでしょうか?

体重の増え方として、「1週間の体重増加は、0.5kg未満」と思っておくと良いでしょう。最終的に理想体重に達していたとしても、ある一定の時期に急激に増えたり減ったりするのは良くないのです。

少しずつ、ゆっくりと緩やかに体重が増えていくように心がけましょう。体重の増え過ぎもいけませんが、減っていくことがないようにしたいものです。

体重管理をサポートする食事とは?

「薄味」で塩分摂取を抑える

今まで、こってりとした濃い味が好きだった人も、妊娠したら薄味にシフトしましょう。おかずを濃い味付けにしてしまうと、その分たくさん米を食べたくなるものです。薄味にすることで、食べ過ぎを防ぐことができます。

また、塩分の過剰摂取はむくみの原因にもなるので注意しましょう。妊娠中は、ただでさえむくみが起きやすいのですから、食事で塩分を取り過ぎてしまうと、更にむくみが進んでしまいます。

調理をする上で、塩分を減らすコツがあります。だしをしっかりと取ったり、計量スプーンできっちりと塩を計って入れる、スパイスやハーブを有効に使うなどして工夫しましょう。

妊婦の3大重要栄養素の摂取

○葉酸、カルシウム、鉄分

「葉酸」
妊娠すると、より必要になる栄養素があります。まずは、葉酸です。この葉酸は、ブロッコリーや苺、枝豆などに多く含まれていて、特に妊娠初期に積極的に取りたい栄養素と言えます。

この葉酸は、赤ちゃんのタンパク質や遺伝子を作るのに必要なビタミンB群の1つです。葉酸を取ることで、流産などのリスクを減らすことができます。生の野菜や果物から取るのが理想ですが、難しい場合は葉酸のサプリメントも売られています。

「カルシウム」
カルシウムは、ご存知の通り牛乳などの乳製品や小魚などに豊富に含まれています。カルシウムは、赤ちゃんがお腹の中で育っていく過程で、丈夫な骨を作る役割を担っています。

赤ちゃんは、お母さんから栄養を貰うわけですが、カルシウムの摂取量が足りないと、お母さんに必要なカルシウムも持っていかれるために、骨がもろくなる骨粗しょう症などになる可能性も出てきます。

「鉄分」
筆者は妊娠中、この鉄分が足りずにこまめに鉄剤を処方して貰っていました。お母さんの胎盤から血液が送られることで、赤ちゃんは成長していきます。そのため、妊婦は鉄分が不足しやすいようです。

鉄分が不足すると、うつやイライラの原因になったり、ふらつきやめまいなどの症状が現れることもあります。鉄分は、切り干し大根や大豆に多く含まれているので、積極的に取り入れましょう。

間食で栄養バランスを取る

妊娠中は、間食はダメだと思っていませんか?実は、妊娠中の間食は良いとさえ言われています。
これは、妊娠初期につわりで十分に食事が取れない時にも有効で、つわりで辛い時は「食べられる物を少しずつ」食べれば良いそうです。

間食としては、小さめのおにぎりを握っておいて、それをこまめにつまんだり、さつまいもをふかしておいて、お腹が空いた時に食べるなどするのがおすすめ。間食をする時には、口にする食材にも気を遣えると良いですね。

また、妊娠初期でなくても、この間食にはメリットがあるのです。1日3食の食事を、それぞれの食事の量を減らし5回に分けて食べれば、血糖値の上昇も抑えられ、太り過ぎを予防することができます。

当然ながら、間食をする場合は食事の量も調整しましょう。3食の食事を、いつも通りに食べられているのだとしたら、間食のカロリーは1日200kcalくらいに抑えておきましょう。

「増え過ぎた体重]」ダイエットのコツとは?

身体に負担の少ない運動

妊娠中に太り過ぎてしまったら、どうすれば良いのでしょうか?
まずは、積極的に身体を動かすようにしましょう。どんな運動をすれば良いかというと、お腹が大きくなっても身体に無理のない程度の運動がベストですから、ウォーキングやヨガなどが一番です。

体重の増え過ぎを防いでくれるだけでなく、妊娠中になりやすい腰痛やむくみを緩和してくれます。また、感情が塞ぎがちになる妊娠中は、適度な運動をすることで気持ちも晴れやかになります。

ウォーキングならば、1回に15〜30分程度歩けば良いでしょう。雨で道路が濡れているような時は、滑りやすくて大変危険です。屋外でウォーキングに出かける時は、天気の良い日にしましょう。

「食べながら」痩せる

次に、食べながらにして体重管理ができる、太りにくい食材について見ていきましょう。摂取する食材を意識的に変えるだけでも、体重の急激な増加を防ぐことができます。

まずは、高たんぱくで低カロリーな食材です。例えば鶏のささみ肉などは、カロリーが低い割に高いたんぱく質が摂取できます。筋を取ってラップで包み、レンジで肉に火を通せば、ささみを割いてサラダにしたりと手軽に料理ができます。

また、脂肪燃焼系の食材である生姜もおすすめです。紅茶に混ぜて飲んだり、汁物に入れたりして身体を温め、脂肪を燃焼しやすい身体を作りましょう。

気をつけたいのは、これらはおすすめ食材のほんの一部であり、「これさえ食べておけば、あとは何も食べなくて良い」というわけではありません。それぞれの食材には良い点がたくさんあるので、同じ食材ばかりを使うのではなく、いろんな食材をまんべんなく使うようにしましょう。

ダイエットレシピは、「和食、和風」に

さて、増え過ぎてしまった体重を適正体重に戻すためには、調理方法にも工夫がいります。ダイエット中であれば、和食を中心にメニューを考えるのが失敗しないコツです。

和食の理想の形と言われる、「一汁三菜」が適しています。野菜をたっぷり入れた汁物に、たんぱく質豊富な魚の主菜、そして野菜や豆、海藻などを使った副菜などを付ければ最強ですね!

骨を取りながらゆっくりと食べるので、つい早食いをしてしまうという人は、肉よりも魚を選ぶと良いかもしれません。

増え過ぎもダメ!増えなさすぎもダメ!

大幅な体重増加のリスク

妊娠中に大幅に体重が増えると、どんなリスクが考えられるのでしょうか?体重が増えすぎると、妊娠高血圧症候群や巨大児分娩、また妊娠糖尿病などになる可能性が考えられるのだそう。

妊娠高血圧症候群は、以前は「妊娠中毒症」と呼ばれていたもので、妊娠20週〜産後12週の間に高血圧が見られる症状のことです。場合によっては、蛋白尿が伴うこともあります。

この妊娠高血圧症候群は、肥満気味の妊婦に起こりやすい上に、妊婦の年齢が35歳以上の場合にも発症しやすいようです。

気になるのは、この病気になってしまったことへの影響ですが、妊娠高血圧症候群になると母体と赤ちゃん共に合併症を起こす危険性があるとされています。

例えば、脳出血や肺水腫、常位胎盤早期剥離が考えられる上に、赤ちゃんへ血液が正常に送られずに発育不全になるなどの危険があるようです。

体重増加が少なすぎるリスク

妊娠中であるにも関わらず、体重の増加が少ない、あるいは減少している場合は、低体重児を出産するリスクが考えられます。十分な栄養をお母さんが取っていなかった場合、そこから赤ちゃんへ届けられる栄養も少ないわけで、赤ちゃんの発育不全につながってしまいます。

また、あまりにもお母さんに栄養失調の状態が見受けられた場合、赤ちゃんがお腹の中で亡くなってしまうこともあるのだとか。体重が増えることを心配しすぎて、妊娠前にしていたような過度なダイエットをするのは、絶対にやめましょう。

最近は「スマホアプリ」も充実

○「Sprout(スプラウト)」

最近では、妊婦を対象にした便利なアプリも充実しています。体重管理が難しい人は、このようなアプリを使ってスムーズに行ってはいかがでしょうか。

筆者がおすすめするのは、「Sprout(スプラウト)」というアプリ。こちらは、Android、i phone両方に対応しています。無料でダウンロードが可能で、体重管理ができる他、赤ちゃんの成長を3Dで確認することができるユニークなアプリです。

お腹にいる赤ちゃんが、どれだけ大きくなっているのか気軽に感じられるので、より質の良い食事を心がけたくなるかもしれません。

○「妊娠カレンダー」

次に紹介するのは「妊娠カレンダー」。こちらはi phoneのみの取り扱いのようですが、120円でダウンロードし、使用することができます。

このアプリの最大の特徴は、画像とともに体重管理ができるという点。日々大きくなってくるお腹を画像におさめながら、その変化を見ていくことができます。

また、体重はグラフ化されるので適正体重を保つのに役に立つかもしれません。一気に体重が上がってしまった場合も一目瞭然ですから、気付かずに増えてしまったなんてことは減りそうですね。

まとめ

妊娠中は、お腹も空きやすく、つい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。増えないのも心配ですが、赤ちゃんが無事に生まれてきてくれるために、適切な体重管理を心がけたいですね!

また、単に体重が増えれば良いというわけではありません。お母さんが取った栄養素は、そのまま赤ちゃんへと送られます。手抜きとしてたまに食べる分には問題ありませんが、添加物がたっぷり入った食べ物など、赤ちゃんへのリスクが考えられる食事は控えるようにしましょう。

お腹の中に赤ちゃんがいる時は、思ったように動けなかったりむくみが激しくなったりと、お母さんにとっては、とても大変な時期です。でも、こんな風に我が子がお腹の中にいるのも、この妊娠期だけ。貴重な期間を赤ちゃんと楽しんでくださいね。